「朝4時起きがいいと聞いて実践したら、ただ疲弊しただけだった」
「コンフォートゾーンを出なきゃと思えば思うほど、動けなくなる」
「勇気を出して飛び込んでみたのに、結局続かなくて自分を責めた」
もしこの中にひとつでも心当たりがあるなら、
まず知ってほしいことがあります。
動けなかったのは、あなたの根性が足りないからではありません。
コンフォートゾーンの3つの層
自己啓発ではよく「コンフォートゾーンを出ろ」と言われますよね。
成長は居心地のいい場所の外にある、と。
でも、「外」にも段階があります。
心理学では、人の心理的な領域を3つの層で考えます。
コンフォートゾーン(安全圏) ── 慣れた行動、安心できる範囲。ストレスが少ない。
ストレッチゾーン(成長圏) ── 少し緊張するけれど、なんとか対応できる範囲。学びが起きる場所。
パニックゾーン(危険圏) ── 強い恐怖やストレスを感じる範囲。思考が止まり、心が防御モードに入る。
成長が起きるのは、ストレッチゾーンです。
パニックゾーンではありません。
たねくん
「出ろ」が逆効果になる理由
多くの自己啓発本やセミナーが勧めるのは、「とにかく飛び込め」「やってみればなんとかなる」というアプローチです。
でも、これはストレッチゾーンを飛び越えて、いきなりパニックゾーンに飛び込ませてしまうことがあります。
パニックゾーンに入ると、脳は「危険だ」と判断します。
学びや成長のモードではなく、生存のための防御モードに切り替わる。
その結果、挑戦したこと自体が「怖い記憶」として刻まれ、次に動こうとしたときに、前よりも強いブレーキがかかるようになります。
「勇気を出してやってみたのに、うまくいかなかった。やっぱり自分にはムリだ」
この経験が積み重なると、コンフォートゾーンは広がるどころか、むしろ縮んでいくのです。
心のサーモスタット
もうひとつ、知っておいてほしい仕組みがあります。
人の心には「サーモスタット」のような機能があります。
エアコンのサーモスタットが設定温度に戻そうとするように、心にも「自分はこれくらいの人間だ」という設定値があり、そこから大きくずれると、元に戻そうとする力が働きます。
たとえば、急にうまくいったとき。褒められたとき。大きな成果が出たとき。
「こんなのは自分らしくない」と感じて、無意識に元の状態に戻ろうとする。
自己啓発本を読んで一時的にモチベーションが上がっても、翌日には元に戻ってしまうのは、このサーモスタットが作動しているからでもあります。
設定温度を一気に10度上げようとすると、サーモスタットは全力で引き戻します。
でも、1度ずつ上げていけば、心はその温度に少しずつ慣れていく。
たねくん
「広げる」というアプローチ
コンフォートゾーンは「出る」ものではなく、「広げる」ものです。
今の安全な場所を否定する必要はありません。
その場所に立ったまま、ほんの少しだけ端を押し広げてみる。
たとえば、「人前で話すのが怖い」なら、いきなりプレゼンをする必要はありません。
まずは、信頼できる一人に、自分の考えを少しだけ話してみる。
「朝活をしたい」なら、いきなり4時起きにしなくていい。
まずは、いつもより15分だけ早く起きてみる。
小さすぎると感じるくらいで、ちょうどいい。
それが「ストレッチゾーン」です。
そして、その小さな一歩に慣れたら、もう少しだけ広げてみる。
コンフォートゾーンの境界線は、こうして少しずつ外側に移動していきます。
今日一歩も動けなくてもいい
ここまで読んで、「それでも今日は動けない」と感じている人もいると思います。
それでいいのです。
動けなかった日は、「怠けた日」ではありません。
「今日はここが安全な場所だった」というだけのことです。
自分を変えたいと思っている時点で、あなたはもう動き始めています。
この記事を読んでいること自体が、コンフォートゾーンのほんの少し外側に足を踏み出している証拠です。
だから、今日動けなくても、自分を責めないでください。
明日また、ほんの少しだけ試してみればいいのです。
まとめ
- コンフォートゾーンの「外」には、ストレッチゾーンとパニックゾーンがある
- 成長が起きるのはストレッチゾーン。パニックゾーンに飛び込むと逆効果になる
- 心には「サーモスタット」があり、急激な変化は引き戻される
- コンフォートゾーンは「出る」のではなく、1度ずつ「広げる」
- 今日動けなくても、それは怠けではなく、今日の安全な場所がそこだっただけ
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